う~ん、自分のレコ棚に「割礼」のCDが並ぶ日がやってこようとは…。先日のさねよしいさ子さんのライブ、それから同じくいさ子さんのライブ盤で聴いた、宍戸幸司さんのギターにすっかりマイッちゃって、買いましたよ割礼。とりあえず、いちばん新しいアルバム『セカイノマヒル』(03年)。
しかし…こえーバンド名っす。普通近づけませんて。名前だけはずーっと昔から知ってたよ。公式HPによると83年から活動してるらしい。名古屋の人なのね~。バンド、というか、宍戸幸司さんを中心にその時々でメンバー変わりまくってるような形態みたい。で、前の記事にも書いたんだけど、私はグランドファーザーズの対バンで89年にいちどナマで見てるらしいのだが記憶にナシ…。
で、聴いてみたら。うわーやっぱこういう世界…!ヤバイ、どっぷり好きなんですけど、この音…。この宍戸さんのギターと歌と曲と詞のドロドロ具合、どうなってんの。いさ子さんがこのあいだのライブでカバーしていてすっげーカッコイイ曲だなーと思った「ベッド」もこのアルバムに入ってるんだけど、もちろんいさ子さんのバージョンよりポップさ90%減ぐらいで、うわ~気持ち悪くて最高~。どの曲もそう。帰ってこらんない世界。ヤバイかも…。
このあいだいさ子さんのサポートしてるときに見た宍戸さんは(遠目だったし座ってギター弾いてたからかすかな印象ではあるんだけど)、ものすげー普通の人っぽかったんだよ!眼鏡かけてて、髪型も服も普通で、おとなしい青年って感じで。でも、このインナースリーヴの写真の宍戸さんはコワイです。眉毛ないし。あー、でもちょっとうっとりしちゃいそう、この危険な雰囲気…。ずっと前にyoikoさんとこのこの記事のコメント欄で「耽美なボーカリストとそれにうっとりする女子」についてヒトゴトのように会話してたんだけど、私がうっとりかよ(笑)!いや人生いろんなことが起こるよ、まだまだ…。
あーでもマジカッコイイ音。どの曲のギターもブッ倒れるよ。ノイジーでサイケデリックで妖しくて狂ってて、そして、うつくしくて。好きだ好きだ大好きだ。とりあえずどうなの、デッドとかにイカレてる人は、こういう音平気なんだろうね、たぶん。
また、宍戸さんの詞がクラクラするほどいいんだ。
口をそろえた小人たち
知ってる話ばかりでいやだ
手のひらに四つ葉のクローバー
やさしさの壁によじ登るバカ
(「風船ガムのドジ」)
だらーりとよだれをたらした
ぼくのさみしさ
その生ぬるさーが
ちょうどいいジャスト
(「ジャスト」)
こんな世界を20年もやってるって、とんでもないなあ。でも今ごろやっと出合う私みたいな人間もいるから、これからもこのままずっと、どろりーんと気持ち悪くやり続けて欲しいなあ。割礼の音にマイッちゃってる奥さんってのもどうかと思いながら、このぶんじゃ他のCDも買うだろう、間違いなく。
*『セカイノマヒル』割礼